おひさまの輪|茨城県周辺の保育と子育てに寄り添う専門サポート

茨城県を中心とした園・保育現場に向け、幼稚園教諭・保育士歴20年以上の保育アドバイザーが講演や研修・保育アドバイスを行います。

保護者対応における『錯覚が引き起こす すれ違い』

これは、noteというアプリにいずれ投稿しようと思って、
携帯のメモアプリに入れておいた話です。

内容は、かなり強めにメスを入れる感じになっていますが、
ご自身の保育を振り返る参考にしていただければありがたいです。

これを自分事として吸収し、理解し、自分なりの形で実践していくことができれば、
間違いなく保護者との信頼関係が強くなり、トラブルは無くなります。

保育は【寄り添い】です。
子どもにも、保護者にも。


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保育をしていく上で、保護者と信頼関係を築いていくことは、とても大切なことである。

子どもを1番近くで見ているのが保護者であり、一生のうち、共に長い時間を過ごしていくのも保護者である。

私たちは、そのうちのたった1年、持ち上がる可能性を考えてもたった2年しか、その子と関わる期間がない。

私たちは、その少ない時間の中で、子どもが心身ともに健やかに育つためのささやかなお手伝いをするために存在していることを認識しておく必要がある。


『人間』という生き物は、なぜか他人より優位に立ちたがるものである。
『先生』も然り。

自分ではそのつもりがなくても、「この子を1番近くで見ていて、1番分かっているのは自分だ」と錯覚してしまうことがある。

その錯覚が、保護者への誤解を生み、結果として信頼関係を築くことができないまま1年が過ぎてしまう。


先生方は、こんなことを保護者に言った記憶はないだろうか?


「○○ちゃんはこうなので、もっとこうしてあげてください」


例えば、
・もっと関わってあげてください
・たくさん喋りかけてあげてください
・会話の時間を大切にしてあげてください
・もっと早く迎えに来てあげてください


「〜してあげてください」は、一見優しい言い回しに思えるが、実は相手を思い切り否定している言葉である。

「あなた、子どもにそういうことをやってあげてないでしょ?だから子どもがこう育つのよ」

暗に、そう言っているように聞こえてしまう。

仕事と育児の両立に頑張っている人ほど、「〜してあげてください」は心をえぐる言葉なのである。

大切なのは、その言葉を言う前に、保護者の事情を知り、その心を察することである。

「お母さん、いつも大変ですね。○○ちゃん、園ではこういう姿があるので、私たちは今こういう風に関わっているところなのですが、最終的にこうなっていってくれたらいいなと思って、少しずつ働きかけています」

園には、園でしかできないことがある。

その子と保護者を否定する前に、「〜してあげてください」と相手に全投げする前に、まず自分たちがその子のためにできることを考えて、行動に移していく。

その報告を、逐一保護者に知らせることで、「なるほど、そう関わればいいのか」と保護者自身も気づくきっかけになるし、園で我が子がどう過ごしているのか、親目線では分からなかった成長過程も知ることができる。

そのように我が子に心を砕きながら関わってくれる保育者に対して、保護者は感謝こそすれ、決して邪険にすることはない。


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私の娘が年中組のとき、担任の先生はよく「気持ちの切り替えができない」と私に報告していた。

ある日、「園での様子を見てください」と言われたので、午後、指定の時間に園を訪れ、ドアの陰から娘の姿を見ていた。

その時は、ホールで製作をし終わったあとのようで、他の子達は全員保育室に戻って帰り支度を始めていたが、娘だけは一人ホールに残り、黙々と作業をしていた。

年輩の補助の先生が娘に声をかけたが、娘は無視して作業を続けている。
満足するところまで終わらせてから、娘はホールを出たが、その間、担任の先生は一度も娘に声をかけに来なかった。

その後、帰り支度をするのかと思いきや、自分の居場所を見つけられなかった娘は保育室から出ていき、テラスの階段のところでウロウロしていた。
担任の先生は、それでも一度も声をかけなかった。

帰りの会が進み、一人テラスの階段を行き来していた娘に、たまたま通り掛かった他の先生が声をかけてくれ、帰り支度を手伝ってくれた。
なんとか最後の「さようなら」の挨拶までには間に合い、降園時間となった。


⋯⋯私は一体何を見させられているのかと怒りが沸き起こった。

その後、担任の先生はニコニコしながら私に向かってこう言った。


「今日はどうでしたか?」


⋯⋯どうでしたか?じゃないわ!!!!
怒りと悲しみと憎しみ、色んな感情が一気に溢れてきた。

この先生の目には、お利口さんの子どもたちしか見えない仕様になっているんだ。

娘に対して、もっとできる関わりがあるのに、それを放棄している。

娘の困り感に気付こうともせず、察しようともせず、できないところばかりに目を向けて、問題児扱いしている。

その問題児ぶりを理解しようとしない保護者(私)に対して、「現実を見ろ」という意味で、今回園に呼んで、この姿を見せたんだ。

そう思った。

これが、普通のお母さんであれば、「空気の読めないワガママな娘が、園に迷惑をかけて申し訳ない」と思ったかもしれない。

でも、私は保育のプロです。

子どもの孤独な心に目を向けようとしない、こんな保育はありえない。


私は、今回見て感じたことや保育のあり方について担任に意見した。
ニコニコしていた担任は、次第に顔がこわばっていった。

電話で園長先生にも抗議した。
幼稚園は、子どもの困り感に寄り添い、できる関わりを探して、よいところを伸ばしていく、そういう場所じゃないのかと。

結局、私と娘は、この担任の先生に対して信頼を置くことができないまま、1年を終えた。

娘の1年間を犠牲にした気分だった。


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最初に戻るが、『人間』という生き物は、他人より優位に立ちたいものである。
『先生』も然り。

だけど、人と人との関わりである以上、相手の背景や心の内を察しながら会話をすることが必要があり、その中で自分にできることを模索していくことが本当に相手の為になることではないだろうか。

『先生』は、保護者やその子どもに【レッテル】を貼るべきではない。

曇った目線ではなく、クリアな視点で保育に臨むことが大切である。





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2026年05月25日 13:43
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